成功のヒミツ失敗しないコツ

薬剤師と医師が推奨 二日酔い封じる2つの漢方薬の効果

飲む前に対策を
飲む前に対策を(C)日刊ゲンダイ

 ついつい飲み過ぎてしまう忘年会シーズン。翌朝の頭痛、吐き気といったつらい症状を和らげてくれる“特効薬”があるという。今年10月にアルコール頭痛対策薬「アルピタン」(小林製薬)が発売されたが、調べてみたらその成分にヒントがあった。

 漢方薬局「氣生」オーナーで漢方薬剤師の久保田佳代さんが、「“今晩はたくさん飲みそう”という時には、とりあえずこれを服用してみて下さい。ハイ、どうぞ」と、差し出してくれたのが、「五苓散」と「黄連解毒湯」。五苓散は、「アルピタン」に配合されている成分。過剰な水分やアルコールの排出を助けてくれるという。

「黄連解毒湯は血の熱を冷ます清熱解毒剤です。『酔快』と呼ばれるくらいで、五苓散と一緒に飲むと二日酔いになりにくく、なったとしても回復しやすくなります」(久保田さん)

 一方、筑波大学付属病院臨床教授の加藤士郎医師は、「不摂生をしていて、二日酔いだからと漢方薬やサプリメントなどでなんとかしようとするのは全く賛成できない」とばっさり。そこをあえて、と伺ったら、やはり「五苓散」と「黄連解毒湯」の2つの名前が出てきた。

「胃腸が荒れて粘膜からの出血があると、アルコールの吸収が早まります。黄連解毒湯は止血作用もあり、アルコールから胃腸を保護する働きもあるので、宴会前に2包ほど飲んでおくといいでしょう。水ではなく白湯で飲むのがお勧めです」

 胃腸の調子が良くないときは「六君子湯」と「平胃散」、なんとなく疲れが取れない、といった時は「補中益気湯」も役に立つ。

 もっとも、年末年始は宴会による暴飲暴食だけでなく、仕事の追い込みで体力も気力も低下しやすい。加藤医師は漢方薬に頼るだけではなく、体を温めることを勧める。

「風呂にゆっくりつかること。昨今はシャワーだけだと皮膚循環は良くならず、免疫力が低下します」(加藤医師)

 入浴する際も当帰、浜防風といった生薬が入った入浴剤を使うと体が温まりやすくなるという。これまでに二日酔い対策のドリンク剤や錠剤を散々試して、どれもしっくりこなかった人は、漢方に挑戦してもいいかもしれない。

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