数字が語る医療の真実

乳がん検診は年齢が高いほど効果がある

 年齢別の結果を見ていくと、50歳未満では100人の乳がん死亡を84人にまで減らす、50歳以上では100人から77人まで減らすという結果です。若い人では、さらに効果が小さくなることが示されています。といっても、若い人でも乳がん死亡は減る方向にあるので、この数字だけを見れば39歳を越えたらがん検診を受けたほうが良いということになるでしょう。39歳未満では研究結果がありませんが、もっと効果が小さくなって、乳がん死亡を減らさないという結果になっているかもしれません。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。