看護師直伝 がん治療と笑顔で付き合う

がん治療で患者を支えるのは「食事」

 最近、薬物療法と食事療法を組み合わせたがん治療が注目を集めています。これに関する研究は、日本でも行われています。食べることは生きること。みなさんは、どのくらい食事について考えていますか?

 私も家に帰れば妻であり1児の母。食事を用意することが多いのですが、毎日の献立を考えるのは一苦労です。悪天候が続けば野菜の値段が上がりますし、家族それぞれ好みがあるので、状況に応じて臨機応変に対応しなければなりません。

 料理の献立を考えてくれるアプリやレシピのサイトなどがあるとはいえ、家にあるもので健康的でおいしい献立を継続するのは至難の業のような気がします。

 しかし、がんと闘うには体力が必要。手術の合併症の予防、化学療法や放射線療法などを決められたスケジュールで継続するためには、患者さんの「食べる力」や、副作用に応じた食事の工夫が求められます。がんの3大治療を支えるのは「食事」なのです。

 また、胃がんや食道がん、大腸がんなどの消化管の手術方法によっては、食事の工夫をしなくてはいけないものもあります。化学療法や放射線療法の副作用で吐き気があったり食欲が低下した場合には、できるだけ治療を継続できるように、食べられるものを考えたり、ちょっとした栄養補助食品などの活用で対応することもあります。

 そんな時に活躍してくれるのが、病院の栄養士です。個別に時間を取り、丁寧に普段の食事の状況や病状などに応じた栄養指導を行ってくれます。入院中に限らず、外来時でもOKです。

 栄養指導は主治医の指示があれば受けられますので、受けてみたいと思われる方は医師や看護師にぜひ相談してみてください。