極度の糖質制限は危険 がん患者が取るべき「正しい栄養」

藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座の東口髙志教授(C)日刊ゲンダイ

「血液中のタンパク質量を示す血清アルブミン値が高いほど、手術後30日以内の合併症発生率・死亡率は低くなります。また、栄養状態が良好な人ほど抗がん剤治療での副作用が少なく、治療が完遂されやすくなります」

 ただし、がん患者はエネルギー消費量が落ちてくる「終末期」になると、栄養や水分を減らす「栄養管理のギアチェンジ」が必要だという。

「がんの最終段階では栄養や水を細胞が受け付けなくなり、投与しても腹水や胸水、むくみとなり、患者を苦しめることになるのです。ただ、ここで栄養管理のギアチェンジをすると、患者さんは負担が減り、時にはもう一度、口からご飯が食べられるようになることがある。その段階で再度栄養補給を行うと、自宅に帰れるまで回復するケースも。その数は1割ほどです」

 がん患者の食事法は画期的新薬に匹敵する効果がある。覚えておこう。

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