橋本テツヤの快適老齢術

運転士のように 「指さし&声出し」確認を習慣づける

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 人は多くの感覚器官を使って行動すると、意識が覚醒して集中力や注意力、記憶力が高まる。声を出して指さすことで前頭葉の「前頭前野」が刺激されて思考力が活性化する。さらに指を動かすことによって脳の老化も防げる。家庭でも声を出して指をさす習慣をつけるといい。

 電車の運転士や車掌、駅員が対象物に指をさして安全を確認する光景を見ることがある。鉄道用語の「指差喚呼」というものだ。冬場の高齢者の入浴事故が急増している。脱衣所と浴室の温度差で血圧が大きく変動して湯船の中で倒れ、家族に気付かれずに溺死したというケースがある。入浴する前に風呂場を指さして大声で「風呂入ります」と家族に知らせておけば何かあったら助けてくれるだろう。机に携帯を置いたら携帯を指さして「携帯置いた」と声に出しておけば忘れない。日常的に指さし確認する行動は日々の生活の中でも役に立つ。

 今日は二十四節気のひとつの冬至。日頃セックスレスになっている妻に「今夜は柚子湯を用意しましたぁ」と元気な声で指差喚呼すれば、夫の明るい声と柚子の優しい香りに誘われて一緒に入浴するかもしれない。熟年離婚が増えているが、何歳になっても妻へのサービスは夫婦円満の秘訣でもある。

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橋本テツヤ

橋本テツヤ

ジャーナリスト、コラムニスト、メンタルケア心理士、肥満予防健康管理士。著書多数。近著に「昭和ヒット曲全147曲の真実」(KADOKAWA)がある。全国各地で講演活動も精力的に展開中。