カナダ医師会雑誌に掲載された論文では、心臓病や糖尿病を持っている人のうち、アルコール摂取が少量の人に比べると、中等量や大量の人は心房細動の発症頻度が増加すると報告されています。
アルコールそのものは、大量に摂取し続けなければ心臓にそれほど悪影響は与えません。アルコールを摂取したことによって、心臓の動きを活発にさせたり、血圧を上昇させたり、脱水を引き起こしたりする作用が心臓に大きな負担をかけるといえるでしょう。
心臓の手術をした患者さんには、退院する際に必ず「お酒を飲みすぎないように」という指導をします。お酒を飲む場合、日本酒や焼酎は最大で1合(180ミリリットル)、ビールなら中瓶1本(500ミリリットル)、ワインはグラス1杯(120ミリリットル)、ウイスキーはダブルで60ミリリットルまでが目安となる適量です。お酒が好きな人にとっては厳しく思えるかもしれませんが、心臓の状態を急激に悪化させないためには、制限が必要なのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」