検査で異常なし…そのシビレは多発性硬化症かもしれない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 典型例を挙げると、しびれ、麻痺、記憶力低下、理解力低下、健忘、視力低下、視野障害、物が複数に見える複視、歩行障害など。

 これらの症状が出てきた時、たいていの人は、神経内科よりも整形外科、脳神経外科、眼科などを「関連した科」と考えるだろう。

■早期発見、早期治療を

 しかも、多発性硬化症は、早期では検査や診察で捉えられない場合が珍しくない。また、MRIで確認できる場合でも、その検査に至っていなかったり、症状が消えるために「治った」と医者も患者も思ってしまうこともよくある。結果、冒頭のように「なんともない」「正常」「異常なし」となる。

 しかし、多発性硬化症は早期に適切な治療を開始できるかどうかで、「その後」が大きく変わる。

「かつては急性期治療(症状を抑える)しかなく、再発を防ぎ、進行を食い止める治療はありませんでした。しかし今は、早期で診断がつけば、再発を防ぐ治療法があるのです」

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