数字が語る医療の真実

マンモグラフィーによる乳がん死亡は0.07ポイント減るに過ぎない

写真はイメージ(提供写真)

 では、20年、30年と研究を継続すれば、もっとはっきりと差が出るかというと、そうとも言えません。検診を最初に受けたときに60歳の人は20年後には80歳で、乳がん以外の病気での死亡の危険も増加しており、乳がん検診だけの効果検討を行うのはますます困難になってしまうのです。

2 / 2 ページ

名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。