年末で、お酒を召し上がる機会が多いことと思います。お酒は「少量であれば健康に良い」という話があります。実際に、アルコールを適量飲む習慣のある人の方が、「心筋梗塞や脳梗塞が起こりにくく、長生きだ」というデータがあります。
この適量というのは、1日のアルコール摂取量で「20~25グラムくらい。日本酒であれば1合くらいまで」ということになっています。ただ、最近それは本当に正しいのか、という疑いを持つ専門家もいます。こうしたデータは、お酒を飲む習慣のある人と、ない人とを比較しているのですが、飲まない人の中には、病気があって具合が悪いので飲めないという人が含まれている可能性があるからです。
そこで今年、これまでのお酒と病気との関係を見たデータを、まとめて解析した論文がアルコール研究の専門誌に掲載されました。
それによると、確かに1日25グラムより少ない量のアルコールは、病気を減らし寿命を延ばすような効果が認められました。
しかし、アルコールを飲まない人の健康状態などを加味して再度分析すると、時々飲むだけの人の方が、寿命は長いという結果に変わったのです。
もちろん、お酒が大きく健康に影響するのは、1日25グラムを超えた時であることは間違いがありませんが、「少量のお酒は健康に良い」という考えは、それほど信用はしない方がよさそうです。
医者も知らない医学の新常識