がん、心筋梗塞、脳卒中…日本「3大疾患」治療のお値段

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 発症後4時間半以内であれば、血栓溶解療法(t―PA)が検討される。20日前後の入院で、窓口請求額は治療費、入院費含めて約60万円。t―PAで十分な効果が得られない場合は血栓回収術となり約90万円。バイパス手術やステント留置術などになると高額で約120万円(いずれも3割負担の場合)。

「治療費だけでなく後遺症軽減のためにも早期来院早期治療が重要。そのために初期症状を見逃さない」(東京慈恵会医科大学神経内科・井口保之教授)

「ろれつが回らない」「言葉が出ない」「片方の手足に力が入らない、じんじんしびれる」「片方の目が見えない」など、突然こんな症状に襲われたら、様子見せずに救急車を呼ぶ。

 後遺症でリハビリが必要になった場合、慈恵医大では脳に刺激を加えて不自由な部分を動かす「磁気刺激療法」という選択肢がある。開発したリハビリテーション医学講座の安保雅博教授は「2週間の入院で診療費総額は約17万円。筋肉を柔らかくするボツリヌス注射をすることがあり、上肢なら1回で最大約7万5000円」だという。

 それも、毎日の適切なリハビリと組み合わせてこそ効果がある。

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