天野篤氏が語る ノーエリートが“天皇の執刀医”になるまで

心臓外科医の天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 なんでも徹底的にやって、とにかく上を目指す。これが、最終的に自分自身の隙をなくすことにつながります。私も61歳になります。一般的には現役を退くような年齢ですが、私はいまも現役外科医として執刀していますし、まだ伸びしろがあると自負しています。

 年齢的にボーダーライン上に立っているとしても、あっさり隠居するのは実にもったいないと思います。自分のキャリアを見直し、強みや弱みを真剣に考えてみる。とことんやって強みをいくつも持てれば、どんな状況でもしなやかに乗り切ることができるんじゃないでしょうか。

▽あまの・あつし 順天堂大学医学部付属順天堂医院院長・心臓血管外科教授。1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日大医学部卒。執刀した手術は6500例を超え、成功率は98%以上。12年2月、東大と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。

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