独白 愉快な“病人”たち

夏目亜季さん 「お母さんを呼んで」でよほど悪いと察した

夏目亜季さん(C)日刊ゲンダイ

■毎日放射線、週1回は抗がん剤

 診断は「子宮頚がん1B1期」。これは「子宮全摘」を意味するものでした。それでも、「子供を産める可能性を残したい」とあがいて病院を転々としました。そして、4つ目の病院でこう言われたんです。「子供うんぬんではなく、生きることを考えなさい」って……。もう諦めるしかないと思いました。

 ただ、子宮全摘といっても持病のために手術はできないらしく、放射線治療しか選択肢がありませんでした。初めは入院しましたが、持病にがん治療の悪影響がないことがわかってからは通院になりました。約2カ月間、平日は毎日放射線、そして週1回は抗がん剤も併用しました。

 後半には、腔内照射という放射線を子宮内から当てる治療を受けたのですが、これが何より痛くてつらかった。出産の痛みが“鼻からスイカを出すくらい”だとしたら、その真逆。ものすごい圧迫感の痛みでした。

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