当事者たちが明かす「医療のウラ側」

「後を継ぎたい」と言ってくれたのはうれしいが…

 私は既に60代で、現在、医大生の息子が順調に医師国家資格、専門医資格を得て、私の後を継ぐ頃には私は70代となっていて、私の抱えている患者さんのことを教えていくには時間が足りないかもしれないのです。

 結局は医師の息子といえども開業医になるには初めて開院するのと変わらない努力が必要とされることになるでしょう。

 そんなことなら、海外の医療機関で勤務医として働いた方がマシだとも思うのです。

 私の医師仲間の話ではシンガポールやインドネシア、上海などアジアの国際都市で働いた方が実入りもいいし、子供の教育にも良いとのこと。さまざまな制約に縛られて、大学病院の階級社会に染まるよりも、精神的にも解放されるようです。

 むろん、良いことばかりではないでしょうが、息子にはそんな道もあることをいずれ話して聞かせようと思っています。

2 / 2 ページ