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【脳卒中標準化死亡比】全国でもベストワンの小金井市

中野区から国立市までの中央線沿線の数値がいい
中野区から国立市までの中央線沿線の数値がいい(C)日刊ゲンダイ

 各自治体の年齢調整死亡率を、日本全体の死亡率で割って、100倍した値です。100よりも大きければ、それだけ脳卒中で亡くなるリスクが高く、小さいほどリスクが低いことを意味します。今日はリスクが少ない自治体を見ます。

 まず首都圏です。東京都小金井市が57.5で、ベストワンに輝いています。小金井市は、全国の市区のなかでもトップ。首都圏ワーストワンの福生市が177.6ですから、同じ東京都多摩地区のなかで、脳卒中の死亡リスクが3倍以上も違っていることになります。

 表を見ると、中央線沿線の自治体から、ほかにも杉並区、国分寺市、三鷹市がランクインしていることが分かります。中央線に注目すると、これら3市のほか、中野区(87.6)、武蔵野市(74.1)、国立市(75.1)も、優秀な数字を示しています。ところがこれらの市区をはさむ新宿区(99.6)と立川市(93.1)は、全国平均並みです。つまり脳卒中に限れば、中野区から国立市の区間が、住むのに適したエリアと言えるわけです。

 関西圏では京都府長岡京市がトップです。京都府からは八幡市、また大阪府からは吹田市や高槻市もランクインしています。これらの市は阪急京都線・京阪本線・JR東海道本線(京都線)沿いにあります。京都市と大阪市の中間に位置する、典型的なベッドタウンです。京都市や大阪市ほどの人混みはなく、かといって決して田舎ではなく、適度な刺激と静けさが両立するエリア。ちょうど東京の中野から国立までと似た環境と言えるでしょう。

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。