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スイッチOTC薬への変更が取りざたされる「16の処方薬」

ロキソニンもスイッチOTC薬で一般医薬品に
ロキソニンもスイッチOTC薬で一般医薬品に(C)日刊ゲンダイ

 今年はスイッチOTC医薬品が話題になりそうだ。医師の診察が必要な処方薬から一般医薬品に扱いが変わった薬のことで、1月1日から特定の成分を含むスイッチOTC医薬品を購入すると税金が戻ってくるセルフメディケーション税制もスタートした。41兆円超に膨れ上がった国民医療費の抑制策として今後も新たなスイッチOTC医薬品が登場することになるが、どんな薬が出てくるのか?

「昨年末の薬事・食品衛生審議会(要指導・一般用医薬品部会)で承認された花粉症の薬、『タリオン』『クラリチン』『アレグラ』(小児用量)は近く発売されるのは確実です」(都内の薬剤師)

 その“次”として注目されるのが、厚労省が昨年8月から随時募集してきたスイッチOTC医薬品候補となる成分の要望受け付けリスト(表)。その多くは海外でもスイッチOTC医薬品として使われているが、興味深いのは緊急避妊薬が含まれていることだ。

「リストアップされたレボノルゲストレルは治験で性交後12時間以内の服用で妊娠率0.5%とされています。外国から観光客が訪れる2020年の東京五輪開催までにスイッチOTC医薬品にしたいとの政府の意向があるのかもしれません」(首都圏の薬剤師)

■片頭痛薬やプロトンポンプ阻害剤も

 片頭痛によく効くトリプタンもリストに名を連ねている。

「この薬が市販薬にならなかった理由は、①使いすぎると薬物性の片頭痛を誘発するリスクがある②ロキソニンなどの普通の痛み止めが効かない場合は別の病気が隠れている可能性があるため医師に診てもらうべきとの意見があった③市販薬では値段が高くなりすぎるためなどです。にもかかわらずリストアップされたのは薬剤師扱いで販売量を制限すれば問題ないということでしょう」(前出の首都圏の薬剤師)

「ガスター10」で有名なH2ブロッカーを上回る効果が期待できる、プロトンポンプ阻害剤もリストにある。

「逆流性食道炎は出過ぎる胃酸が食道を逆流して食道内を焼くことで起きる炎症です。治療は逆流を止めること以外に出過ぎる胃酸を止めること。オメプラゾールといったプロトンポンプ阻害薬と呼ばれる薬はH2ブロッカー以上に効きます」(前出の都内の薬剤師)

 ただし、この薬には発疹のほかに便秘や下痢などの消化器症状や肝機能障害などの副作用の可能性があるうえ、単剤での使用日数制限がある。

 今後、リストに挙がった薬の成分について、要指導・一般用への転用に関する評価検討会議で話し合われることになる。

 なかには医学会でスイッチOTC医薬品化に慎重な薬もあることから、話題になりそうだ。