軽い痛みでも発症…くも膜下出血の“サイン”を見逃すな

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 くも膜下出血は、発症すると50%が死に至るといわれている。治療によって、ほとんど後遺症なく社会復帰できるのは30%程度との指摘もある。もし、本格的に破れる前に発見できて治療を受けられたら、非常に幸運といえる。だからこそ、サインを見逃してはいけない。

 脳梗塞などの脳卒中では、体の片方のしびれ、マヒ、言葉が出ない、ふらつく、視野が狭まるといった症状もあるが、くも膜下出血に関しては、頭痛と吐き気が表れる。命拾いした患者の中には、「数日前から風邪だと思っていた」と話す人もいる。頭痛や吐き気からくる連想だろう。

「高血圧はくも膜下出血にも頭痛にも関係していて、『血圧の薬を飲んだら頭痛が治まった』というケースもあります。これならくも膜下出血を心配しなくてもいいでしょう。しかし、頭痛薬も含めて薬で症状が改善しなければ、すぐに外来を受診するか、救急車を呼ぶ。即行の対応が求められます」

 くも膜下出血は、働き盛りの世代に多い。それゆえに「様子を見よう」「この仕事が終わってまだ症状があったら病院へ行こう」などと考えがちだが、それが、命を縮める結果につながりかねないのだ。

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