有名病院 この診療科のイチ押し治療

【廃用症候群】NTT東日本関東病院 リハビリテーション科(東京都品川区)

稲川利光部長とリハビリ風景(提供写真)

「リハビリ室でやってもらう『できる動作』よりも、病室で『している行為』の方が退院後の生活では重要になります。ですから、どうすれば無理なく動けるか、手すりやベッドの高さ、ベッドの向き、移動の方法などを看護師さんと一緒に病棟に行って考えたり、環境を整えたりします」

 近隣に住む患者の場合、必要であれば退院前にリハビリスタッフが患者の自宅に出向き、その環境に合わせたリハビリを訓練の中に取り入れるケースもあるという。これらの体制によって、同科の廃用患者の平均入院期間は2013年度の34日から、現在は26日にまで短縮が進んでいる。

「ADLを高い状態にするだけではありません。退院時は、地域の介護保険を中心としたケアサービスにつなげて自宅へお帰ししています」

 リハビリを受けて退院される患者には、リハビリ科スタッフ一同からリハビリに励んでもらったことに対する「感謝状」と、「元気に乾杯!」と書かれた「缶バッチ」を一人一人に手渡しているという。

■データ
◆スタッフ数=医師1人、理学療法士22人、作業療法士13人、言語聴覚士8人、リハビリ助手2人
◆年間初診患者数(2015年)=3069人(うち廃用症候群=1600人)
◆廃用症候群の平均入院期間=26日

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