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「高齢者は75歳以上」 新定義の根拠は平均余命?

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日本老年学会などが高齢者の定義を「75歳以上にすべき」と提案した。

 医師らの研究で、肉体的には10~20年前より5~10歳若返り、知的機能も今の70代は10年前の60代に相当するという。

 そうなると、いくら老年学会が「年金支給とは関わりがない」と言っても現在、段階的に65歳に引き上げられつつある年金支給開始年齢が75歳に変更されるのではないか。

 ではなぜ75歳なのか? それには平均余命が関係しているかもしれない。

■年金支払いの想定は男正は15年、女性は20年か

 厚生年金の支給開始年齢は制度発足時は55歳。昭和29年改正で男性60歳、女性55歳に。昭和60年改正では男性65歳、女性60歳へ。平成6年改正では老齢厚生年金の定額部分が男性65歳、女性65歳へ。平成12年改正では老齢厚生年金の報酬比例部分が男女とも65歳以上に。

 年金引き上げ当時の平均余命は次の通り。

 昭和29年の男性60歳の平均余命は14.97歳、女性55歳は21.61歳、昭和60年の男性65歳平均余命は15.52歳、女性60歳は23.24歳、平成6年の男性65歳の平均余命は16.67歳、女性65歳は20.97歳、平成12年の男性65歳の平均余命は17.54歳、女性は22.42歳。

 つまり、年金支給開始年齢は、男性の平均余命が15年前後、女性は20年前後になるように設定されている可能性がある。

 厚労省が発表する平成27年簡易生命表の主な年齢の平均余命を見ると、平成27年時点の男女70歳の平均余命はそれぞれ15.64歳、19.92歳。

 やはり、年金開始年齢変更は避けられない!?