天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

インフルエンザや風邪が引き起こす心筋症にご用心

順天堂大学の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 インフルエンザや風邪にかかったことをきっかけに、心臓疾患を招くケースがあります。ウイルスが心臓の筋肉に感染して炎症を起こし、心臓の機能が低下してしまう「心筋症」という病気です。

 心筋症は、主に「拡張型」「肥大型」「拘束型」に分けられます。拡張型は心臓全体が膨れ上がって壁が薄くなり、血液を送り出す力が弱くなります。肥大型は心臓の壁が厚くなって内部が狭くなり、送り出す血液量が少なくなってしまいます。拘束型は心筋が硬くなって収縮がうまくいかず、血液を送り出しにくくなります。

 いずれも、発熱、咳、頭痛、倦怠感、喉の痛みといった風邪症状に加え、動悸、息切れ、全身のむくみなどの症状が表れます。それまで心臓にトラブルがなくても、急に心不全や心房細動を起こし、最悪の場合は死に至るケースもある病気です。ただの風邪だと軽く考えていたら実は心筋症で、そのまま放置していたため心不全を起こし、心筋の細胞の破壊が進んで亡くなってしまった患者さんもいます。

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天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。