あの話題の治療法 どうなった?

バイアグラに新タイプ “フィルム製剤”でシェアに変化か

青いひし形を見る機会はメッキリ減った
青いひし形を見る機会はメッキリ減った(C)日刊ゲンダイ

 バイアグラといえば、1998年に世界で初めて発売されたED(勃起不全)治療薬。世界中にセンセーションを巻き起こし、多くの男性から「夢の薬」「画期的新薬」などと騒がれた。

 ところが、2004年に服用後の有効時間が長い「レビトラ」(バイエル薬品)、「シアリス」(日本新薬)などが相次いで登場。2014年にはバイアグラの特許が切れてジェネリック薬が出てきたことで、青いひし形の薬を見る機会はメッキリ減った。いま、どうなっているのか?

「確かにバイアグラのシェアは一時に比べれば大幅に減りました。私の患者さんも3年くらいは最初に処方したED治療薬を使っていますが、その後、別の薬を使うケースが多い。それでも、ED治療薬の売り上げが全国有数のクリニックの公表データでは、半数以上がバイアグラとその後発薬のようです」

 こう言うのはED治療に詳しい弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長だ。ネームバリューがあるせいか、ED治療薬初心者はバイアグラを希望し、その後、バイアグラ改良型といわれるレビトラ、次にシアリスというケースも多い。

 しかも、昨年から新たなバイアグラが登場し、徐々に人気を集めているという。

「昨年9月に発売されたバイアグラは口腔内崩壊錠(OD)と呼ばれるもので、3秒ほどで口の中で溶けていきます。従来のバイアグラと同じ25ミリグラムと50ミリグラムの2種類ありますが、特筆すべきはその形状です。フィルム型で25ミリタイプは名刺の半分ほどの大きさで、1.6センチ×2.7センチ、厚さが0.2ミリほど。アルミのフィルムに入っていて定期や名刺入れに収まり、持ち運びしやすい。舌の上にのせて溶かすもよし、従来のように水で飲んでも大丈夫です」

 フィルム製剤は印字も可能だが、バイアグラODフィルムは薄く記載されているだけで何の薬か一見してはわからない。男心がわかっているというべきか。

 国内アンケートによると、ED治療薬を「常に持ち歩いている」「特定の場所に保管して必要なときに携帯する」「かばんなどに入れて持ち歩く」という人が6割以上いるという。バイアグラODフィルム登場で、再びED治療薬の市場シェアが変わるかもしれない。