「身内のがん告知」に立ち会うとき気をつけるべきこと

大切なのは患者に寄り添うこと(C)日刊ゲンダイ

 いまや2人に1人ががんにかかる時代。身内にがん患者がいるのも当たり前で、健康な人が末期のがん告知に立ち会う機会が増えている。まして、現在の日本は生まれる人より死ぬ人が多い多死社会だから、今後、その回数が減ることはないだろう。そのとき、がん患者となった身内にどのような言葉をかけ、接すればいいのか? 「死にゆく患者(ひと)と、どう話すか」(医学書院)の著者で、日本赤十字社医療センター化学療法科の國頭英夫部長に聞いた。

■医師が伝える3つのこと

 多くの患者は「がん」と言われて、頭の中が真っ白になる。結局、自宅に戻ってから立ち会った家族に、「先生は何とおっしゃっていたっけ?」と聞き直し、改めてその家族の口から告知を受けるケースが少なくない。

「ですから、私はがん告知の際、3つだけに絞って伝えるようにしています。(1)がんという病気ではすぐには死なない(2)しかし、このがんは治らない(3)自分が主治医として責任を持つ――です。これを誤解のないよう、生きる希望を失わないよう話すことを心がけています。この3つが伝われば、まずは十分です」

1 / 4 ページ

関連記事