「身内のがん告知」に立ち会うとき気をつけるべきこと

大切なのは患者に寄り添うこと(C)日刊ゲンダイ

 信頼できる医師に診てもらうのとそうでないのとでは、治療効果に大きな差が出ることは科学的にも証明されている。

「(3)については、ご家族から患者さんに『この先生が責任を持って治療すると言うのだから、信じてついていきましょう』と言っていただきたいですね。そのためには疑いの段階でかかりつけ医に相談して、『ここなら』という病院を紹介してもらい、検査の間に信頼関係を築き、告知の段階では『任せられる』と判断できていればいい」

 逆にやってはいけないのは「頑張れ」と口にすることだ。

「言葉をかける方は励ましのつもりでも、言われた方は、『頑張っていないから病気が進んでいるとでも言うのか!』と腹立たしく感じますし、自分だけが頑張らされるというような、孤独感や孤立感を持ちかねません」

 がん患者は、病気への不安から理不尽な怒りや悲しみを周囲にぶつけてくるがそれは気持ちを整理していく過程であることが多い。遮ったり、考えを変えようとするのも正しくない。

「あくまでも患者に寄り添うこと。患者さんの質問は、時に答えが欲しいのではなく、『応えてほしい』『話したい』という気持ちであることを知っておいてほしい」

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