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【急性心筋梗塞高死亡リスク】首都圏ワーストは横浜市中区

右は新浦安駅(上)と船橋駅/C)日刊ゲンダイ

 急性心筋梗塞で命を落とす可能性を「標準化死亡比」で見ていくことにしましょう。年齢補正を行った各自治体の死亡率を日本全体の死亡率で割って、100倍した数字です。ちょうど100になれば、急性心筋梗塞で亡くなる確率が全国平均と同じということになります。

 表は首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の男性の、ワースト10とベスト10をまとめたものです。人口が少ないと誤差が大きくなるため、町村は除いています。また、数字は平成20~24年の5年間の平均値になっています。

 東京23区からは、5区がベスト10入りしています。23区全体では65.2。最も数字が大きいのは荒川区ですが、それでも80.7にとどまっています。都心は意外にも心筋梗塞で亡くなるリスクが低いのです。大学病院をはじめ、有力な病院が林立していることが理由のひとつかもしれません。

 表には載っていませんが、同じ東京都でも、中央線吉祥寺駅-西国分寺駅間と、多摩川に挟まれたエリア、具体的には三鷹市、調布市、小金井市、府中市、狛江市が軒並み130~150以上という高い数字を示しています。住みやすいエリアとして定評がありますが、意外とストレスが多いのかもしれません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。