機能低下につながることも 避けるべき「肝臓に良い」食べ物

医師は科学的な証明がなければ否定しない(C)日刊ゲンダイ

■鉄分が多いデメリットがメリットを上回る…

 そのキッカケとなったのはC型肝炎やB型肝炎の研究。これらの病気でダメージを受けた肝臓の細胞を採取したところ、多くの鉄分が見つかった。

「過剰な鉄分は細胞内の余分な酸素と結びつき、OH-ハイドロキシルラジカルという猛烈な毒性を持つ物質に変わります。この物質は細胞膜やタンパク質、DNAを傷つけるだけでなく、細胞のアポトーシス(自壊作用)に関与していると考えられています」(吉田院長)

 つまり、過剰な鉄分は血管の細胞を傷つけて動脈硬化を進めるほか、DNAを損なうことで突然変異を起こし、細胞をがん化させる。さらには肝臓の細胞のアポトーシスに関与することで、肝臓そのものを悪くする可能性があるのだ。

 一般的にシジミに含まれるアミノ酸にはアルコールを代謝する酵素の活性を高める働きがあり、タウリンは胆汁の排出を促して肝臓の解毒作用を活発にしてくれるといわれている。ところが、少なくとも肝機能が低下している人にとっては、鉄分が多いというデメリットがこれらのメリットを上回るのだ。

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