当事者たちが明かす「医療のウラ側」

10万人に対し35人 歯科医の問題は数ではなく“偏在”にあり

歯科医が足りなくなる?(提供写真)
50代首都圏の開業歯科医

 昨年末、厚労省は「2029年になると、歯科医師が1万4000人だぶつく」との試算を発表しました。

 以前から歯科医院はコンビニより数が多く、歯科医師の年収もかなり安くなったといわれてきましたので、驚きもしません。しかし、先日、知り合いの歯科医院の先生が、「試算発表は歯科医師数抑制策の手順のひとつ。歯科大学の定員数や国家試験合格者数の削減など、若い歯科医師を減らせば、近い将来、首都圏ですらまともに歯科治療ができなくなるかもしれない」とお話をされていたのにはビックリしました。

 その根拠は歯科医師の「偏在」と「高齢化」です。「平成26年医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、人口10万人当たりの数は東京都が118.4人に対して、最下位の福井県が52.9人なのだそうです。

■相模原市は10万人に35人

 都道府県別を見ていると「そんなものか」とも思うかもしれませんが、これを市町村別にみると大変で、神奈川県第3の政令指定都市・相模原市だと35人程度しかいないというのです。

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