長寿のもと? 従来の悪玉「ケトン体」なぜ注目されている

脂肪を分解してエネルギーをつくるときの副産物が「ケトン体」/(C)日刊ゲンダイ

「最初は利尿効果で体の水分が抜けたからだろうと考えられてきました。しかし、心臓や血管の病気を持つ2型糖尿病の患者7000人を対象にした国際的な大規模無作為化比較試験で、心血管イベントのリスクが14%、総死亡のリスクが32%減ったと報告されて大騒ぎになりました。それまで血糖値を下げる糖尿病治療薬は数多くあっても、高血圧や糖尿病が引き金で起こる脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを減らすことを証明したものはありませんでした。その後の研究で、増加したケトン体が心臓や腎臓でエネルギー源として利用されることで、心血管や腎臓が保護されている可能性がわかってきたのです」

 いまではSGLT2阻害薬は糖尿病というより、循環器疾患の薬として活用しよう、ということで循環器の医師や研究者が研究を始めているという。

 実際、日本の厚労省にあたる米国食品医薬品局ではSGLT2阻害薬を心臓病の薬として認可する方針だといわれている。

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