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【ランニング障害】東京山手メディカルセンター・整形外科(東京都新宿区)

東京山手メディカルセンター・整形外科でスポーツ外来を担当する田代俊之医長(右)/(C)日刊ゲンダイ

「治療から復帰までは、痛くなり始めてから練習をやめた期間の倍の時間が必要です。たとえば1カ月走ってしまったら、治すのに2カ月かかります。ですから、早く中止することが、最も早く治す近道なのです」

 治療は、安静を基本とし、安静時痛や歩行時痛があれば消炎鎮痛薬の湿布や飲み薬を使う。それと同時に腸脛靱帯の柔軟性を高めるストレッチを指導して、自宅で毎日続けてもらう。そして、2~3週間したら股関節の筋力訓練を開始。膝の圧痛が消え、痛みを伴うことなく筋力訓練ができるようになったらランニングを再開する流れだ。

「スポーツ障害の復帰プログラムの多くは、遅いスピードから始め、徐々にスピードを上げていきますが、腸脛靱帯炎の場合は逆。速いスピードの練習から始め、徐々にスピードを落として距離を延ばしていくことがポイントになります」

 ランニング障害の治療では、これらの病態を患者や指導者に十分理解してもらい、再発しないように時間をかけて最後まできっちり治し切ることが重要という。

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