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1月が最多の入浴中死亡 直接死因は溺死だが背景に病気が

 昨年12月末、大阪市内で80代夫婦が入浴中に死亡した。2人は普段から互いに助け合って体を洗っていて、熱中症が原因の意識喪失による溺死だった。

 乾燥する冬場はただでさえ水分が抜けやすいうえ、暖房で気づかないうちに汗をかいている。高齢者は体内の温度センサーの機能が低下しており、水分不足に気づかず、2割が隠れ脱水症状にあるといわれている。その状態で、熱いお風呂に入れば、体温の上昇による意識障害を招き、湯船で溺れる可能性が高くなる。この2人はこれが原因だったというわけだ。

 入浴中の意識障害の原因は、熱中症以外に一過性脳虚血発作、入浴中の神経調節性失神、不整脈などが知られる。

 日本法医学会が平成24年12月~翌3月にかけて浴室内死亡の解剖事例を調査したところ男性789例、女性652例と男性が多く、年齢別では71~80歳がトップで、81歳以上、61~70歳と続いたという。

 発生月別では最も多い1月は240例で最も少ない8月の43例の5.6倍。12月から2月までの冬が全体の42.4%と最も多かった。

 推定を含む死亡時刻は21~24時が多く、18~21時、0~3時と続いた。

 直接的な死因は溺死、病死と続くが、間接的死因は病死が最多。死因に関連する傷病では動脈硬化がトップで冠動脈硬化症、心疾患、高血圧、糖尿病、脳梗塞、外傷、がんなどだった。

 病気持ちは冬のお風呂に注意が必要!?