独白 愉快な“病人”たち

胃がん経験した横島亘さん 「患者は黙ってちゃいけない」

横島亘さん(C)日刊ゲンダイ

 もう、目が点になりましたよ。「初期の深いがんって何? どういうこと?」と固まっている私に、さらに医師が放った言葉は「ズバッと言いますけど、開腹手術で切っちゃいましょう」でした。

 でも、ちょうどそのころ、妻が乳がんで入院中だったので、どうせ入院するなら同じ病院にしようと思い立ちました。それで、そっちの病院で診てもらったら、「腹腔鏡手術でいきましょう」と言われたわけです。昔は失敗が多かった手術だということが頭をよぎりましたが、もう大丈夫だろうと思い、決意しました。

 入院予定は1~2週間。とはいえ、仕事レベルの声がすぐに出るかわからない。アフレコ現場で相談したら、「じゃ、横島さんの分だけ先にとりましょう」となり、週1回の30分アニメ番組を半年先まで録音したんです。私のセリフだけ先に作ってもらい、絵を後から合わせるということでした。その時は「そんなに先までしなくても……」と思いましたが、やっておいてよかったですよ、本当に(笑い)。

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