独白 愉快な“病人”たち

胃がん経験した横島亘さん 「患者は黙ってちゃいけない」

横島亘さん(C)日刊ゲンダイ

 腹腔鏡手術の後、予定通り1週間で退院したものの、なんとなく調子が悪い。術後の通院治療の際、担当医に「痛みで眠れない」と訴えたのですが、それでも経過観察が続きました。そしてついに6月、自宅で大量下血したんです。

 救急車で手術した病院に行くと「脾動脈瘤破裂」と診断されました。腹腔鏡手術の影響で脾臓の動脈に瘤ができ、それが破裂し、その血が縫い目から胃にたまって下血したとのことでした。傷ついた血管はコイルのようなものでふさがれ、瘤化は解消されました。

 思えば、最初の手術から退院までずっとスッキリせず、調子が良くなかったんですよね。でも、手術が初めてだったから、その調子の悪さが異常なのか、一般的なことなのかが判断できなかったんです。看護師さんに「大丈夫ですか?」と聞かれたら、よほどのことがなければ「はい」と言ってしまうし、退院後の痛みも耐えられないほどではなかったから、我慢してしまうし……。「手術したから良くなっているはずだ」と思ってしまいますしね。

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