作業療法士が徹底解説 快眠法のウソとホント<後編>

心行くまでぐっすり眠りたい(C)日刊ゲンダイ

 睡眠の勘違いを正して熟睡したい。快眠のウソ・ホントの後編をお届けする。全国で睡眠セミナーを開催している作業療法士、菅原洋平氏に解説してもらった。

⑥空腹だと眠れなくなるため、就寝前でもしっかり食べる…×

 確かに、満腹になると眠くなる。食事で糖質を摂取して血糖が上がると、それを下げようとしてインスリンが過剰に分泌される。すると今度は、血糖が急激に下がって低血糖状態になり、脳の活動が低下して眠気を引き起こすからだ。

 逆に、空腹になると脳は「飢餓状態=生命の危機」と判断し、オレキシンという物質を分泌して脳を覚醒させ、食物を摂取させようとする。こうなると眠れなくなる。

「空腹で眠れないときは何かを食べた方がいい。しかし、満腹になるまで食べてしまうと、深部体温が上がって睡眠の質が下がってしまいます。そこで、大さじ1杯程度のご飯を、口の中でドロドロの液状になるまで噛んでから食べるのがおすすめです。疑似的に満腹状態をつくれば、オレキシンが減って眠くなります」

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