あの話題の治療法 どうなった?

手術がポビュラーな白内障 予防薬はどうなっているのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 研究班メンバーが「効果不明なクスリが、定期的に通院させるための手段として使われている実態が問題」と発言したこともあり、当時の眼科医が一斉に反発。激論になった。その後、白内障予防薬はどうなっているのか?

「初期の白内障に限っては進行を抑える可能性があるかも」と言うのは都内の眼科専門医だ。

「ポーランドの病院で、40歳以上の白内障患者さんをピレノキシン点眼群とプラセボ群に分けて2年間観察し、前者が初期の白内障の進行を50%抑制したと報告したからです。動物実験で効果があったとの報告もあります。私も患者さんに『白内障の薬はないの?』と問われれば『こういう薬があり、こういう報告がありますが、使いますか?』と聞いて、患者さんの同意があれば薬を出します。ただ、人を対象にした他の報告はあまりなく、この報告だけで効果を判断するのは難しいと考えています。患者さんには『この薬で水晶体の濁りがすべて解消されるわけではない』とお話ししています」

 効果はあっても限定的だということか。

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