花粉症なら要注意…アレルギーを起こす食べ物がこんなに

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子供は、3人に1人が花粉症――。ロート製薬が昨年11月、0~16歳の子供2935人を対象に調査したところ、31.5%が花粉症であることが判明した。日本アレルギー協会の1万人規模の疫学調査によれば、花粉症の有病率は全国平均で15・6%。花粉症は、低年齢化しながら増えていることがうかがえる。

 そんな“国民病”について気になるのが、「口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome=以下OAS)」との関係。キウイを食べて口や唇、喉がイガイガしたり、かゆくなったりする人がいるだろう。特定の果物や野菜などを食べて生じるアレルギー症状がOASで、花粉症の人はOASを合併しやすいのだ。

 ロート製薬は、その点についても調査。花粉症の子供に、「果物を食べて口や唇にOASがあるか」聞いたところ、20.6%が「ある」と回答したが、花粉症でない子供で「ある」と答えたのは13.5%。花粉症の子供の方が、1.5倍も多いのだ。

 実は花粉症を起こすアレルゲン(原因物質)と似た物質が野菜や果物にも含まれている。そのためOASは花粉症のシーズンに悪化しやすいというから厄介だろう。

 子供の花粉症に詳しい大阪府済生会中津病院小児科の末廣豊医師が言う。

「代表的な食べ物に、リンゴ、モモ、キウイ、スイカやメロンなどがあります。果物を食べた時に口や唇にかゆみやピリピリ感を感じたことのある人は要注意。すぐに食べるのをやめ、かかりつけ医に相談してください」

 多くの場合、ピリピリ感やかゆみの症状は、しばらくすると治まるが、まれに長く続いたり、息苦しくなったりすることもある。最悪の場合、死亡する恐れもあるから、そういう時はすぐに受診するのが無難だ。

 いろいろな植物の花粉との関連が報告されている食べ物は〈表〉の通り。ありふれた果物やよく食卓に上る食材ばかりだ。

■“危険食材”は加熱して

 スギやヒノキに反応する人は、トマトがヤバいかもしれない。秋の花粉症を起こすブタクサでつらい人はメロンやスイカ、キュウリ、バナナなどが危険だろう。北海道に多いシラカバ花粉症では、3~5割の人がリンゴやサクランボを食べるとかゆくなるという。これでは、花粉症だと何も食べられなくなるのでは?

「OASを起こす果物のアレルゲンは熱に弱く、ジャムなどにして加熱すれば食べられることもあります。アレルギーに詳しい医師に相談してください」(末廣医師)

 みずみずしい果物が食べられなくなるのは“悲劇”だろう。

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