食事中の水分摂取は減らした方がいい? 腸内細菌に影響も

食べ物を流し込むと唾液量を減らしてしまう(C)日刊ゲンダイ

■口腔内細菌が増え、腸内細菌叢のバランスに異変も

「唾液は健康な人で1日500~600ミリリットル程度を分泌しています。問題はその多く(約300ミリリットル)が食事中、食べ物を咀嚼する刺激によって分泌されることです。食べ物を水で流し込むというのは、食事中だけでなく、1日の唾液量を減らすことにつながっています。結果、口腔内に雑菌が繁殖し、虫歯や歯周病が増え、カンジダ菌と呼ばれるカビも繁殖します」

 食事中に水分を取ることは胃液を薄めることでもある。その結果、こうした口腔内の雑菌を殺すことなく、小腸や大腸に送り届けてしまう。

「胃酸はpH1~2の強酸で、食物に付着した菌は胃では生きてはいられません。しかし、食事中に水を飲むと酸が薄まり、菌が胃の中でも生き延びてしまうのです」

 実際、薬が一切ない旧日本軍の部隊内でコレラの保菌者が出て、部隊全滅の危機に陥ったとき、「食事中に水を飲まない」という軍医の指示を守り、全員が無事だったという。それほど本来の胃酸は強力なのだ。

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