原因は「人生」と「生活」 認知症の問題行動は抑えられる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「つまり、担当者の対応に問題があるか、相性が合わないか。問題行動の原因の9割は、『問題介護』だと考えています。問題行動は、『問題介護に伴う老人の問題心理』と捉えるべき」

 問題行動の原因のひとつにあるのが、「人生」だ。

 三好氏が特別養護老人ホームで宿直していた時、突然停電が起こった。施設には自家発電装置があり、モーター音が響いて非常灯がついた。すると、入所者である認知症の男性が廊下に飛び出し、大声で叫んだ。

「空襲警報発令! B29が来たぞ!」

 これを、三好氏は「認知症の問題行動とみなされがちだが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)ではないか」と言う。

「同様の発表は、介護の学会でもされています。認知症の方のこれまでの人生の中に、問題行動とされる行為の原因があるケースです」

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