原因は「人生」と「生活」 認知症の問題行動は抑えられる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 何かの拍子に過去の経験がよみがえる。しかし周囲は、問題行動と決めつける。場合によっては、「認知症の問題行動を抑えるために、薬の投与を」となる。三好氏によれば、「愚の骨頂」だ。

■排泄ケアがカギ

 さらに、「生活」にも問題行動の原因が潜んでいる。介護に関する報道などで、“介護地獄”の代表例として挙げられる弄便や異食の多くは、「生活」が関係している。

「認知症ケアで一番大切なのは排泄ケア。問題行動の半分は不十分な排泄ケアが直接のきっかけになっています」

 認知症になると、赤ちゃんの行動原理である「快・不快の原則」が目立ってくる。つまり、これまでは「不快でも我慢しよう」とされていたようなことが、「不快だから何とかしよう」に変わる。

 年を重ねると、内臓機能の衰え、活動量の低下などで便秘になりやすい。便秘が続くと、当然ながら、不快感が増す。オムツをつけている人では、オムツに便がたまると、やはり不快だ。

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