病院は本日も大騒ぎ

意外に多い食べ物の不満

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 関東圏の総合病院に勤めて看護師歴約25年、現在、看護師主任を務めているユリエです。

 入院患者さんとトラブルになるケースで多いのが「病院食」でしょうか。

 病院食は病名、老若の差などでメニューが微妙に違います。最近の平均的な例では、「朝食」なら塩分6グラム以下に抑え、パン60グラム、オムレツ2分の1、ツナサラダ、牛乳、ノンオイルドレッシング。合計490キロカロリー。

「昼食」塩分6グラム以下で、麦ごはん120グラム、中華あん、サラダ、果物、ふりかけ。合計490キロカロリー。「夕食」は、やはり塩分6グラムに抑えた米飯120グラム、鶏肉トマト煮、カボチャサラダ2分の1、ヨーグルトドリンク、ふりかけ、です。

 毎日、1500キロカロリー前後にし、飽きないようにメニューに工夫を凝らしていますが、若い人や、とくに外傷治療の元気な入院患者にとっては物足りないのでしょうね。

 病院内のレストランでラーメンやかつ丼を食べたり、塩分が高いふりかけや醤油などを病室に持ち込んできます。見て見ぬふりが多いのです。

 ただ、糖尿病患者さんには、食事の監視を厳しくしていますが、医師や看護師に隠して菓子パンなどを購入してきます。

 食べている現場を押さえ「ちゃんと食事を守ってくださいね」と、忠告をしますと、「ハイ」と素直に答えます。しかし3日も経つと、ゴミ箱の中に、菓子パンの袋が捨てられています。

 こうした食事違反を何度も続ける患者は、担当医に報告しなければなりません。治療に支障をきたすからです。

 確かに「病院食」はおいしいものではありません。とくに毎日、ステーキや寿司などぜいたくな食事をしていた患者さんが入院してくると、「こんなまずいもの食えるか!」と、看護師に八つ当たりしてきます。でも解決策はありません。入院している間、出入り自由な刑務所にでも入ったつもりで耐えるしかありませんね。