独白 愉快な“病人”たち

原千晶さん「後悔」 子宮頚がん・子宮体がん闘病を全激白

子宮、卵巣、卵管、リンパ節を全摘出の難手術(C)日刊ゲンダイ

 ただ、ここからが私の過ちの始まりです。1カ月の準備期間中に「本当に子宮を取っていいのか」という思いと、「やっぱり命が大事」という思いのはざまでまた迷い、その結果、手術前日にキャンセルしてしまったのです。「1人だけでも産みたい」という思いから、「子宮を残しても大丈夫かも」というばかげた賭けに出たんです。

 医師とは月に1回必ず細胞を採る検査を受けると約束し、真面目に通いました。体調も良く、毎月「大丈夫そうだね」という医師の言葉を聞いていました。それが2年も経過すると賭けに勝ったような気になって、3年目に入ると仕事が忙しくなったことを口実に、ぱったり病院に行かなくなってしまったんです。

 子宮体がんが分かったのは、それから3年後ぐらいです。経血の量が増え、なんかおかしいと思っていたら、ある日突然、経験したことのない腹痛に襲われました。再びクリニックで診察してもらうと、にわかに周囲がバタつくのを感じました。明らかにマズイ感じで……。その時、思いました。「私は賭けに負けたんだ」と。

3 / 5 ページ