たった1滴の唾液検査で膵臓がんの早期発見が可能になる

唾液による検査風景(C)日刊ゲンダイ

「調べるのはポリアミン類という代謝物質で、がん細胞が増殖するときに必要となる物質です。膵臓がんでは『スペルミン』と『スペルミジン』という物質が重要な働きをしていて、3つの物質の濃度などを総合的に多変量解析します」

 検査の結果は0~1の間の数値で表示され、健常者の平均値は0.17で、膵臓がん患者の平均値0.81に近いほどがんの疑いが強くなる。

「被検者の数値が0.5を超えると、精密検査を受けた方がいいと指導します。これまでの研究でステージ1期の早期のがんでも数値の上昇が確認できています」

 検査結果が出るのは2週間後くらい。膵臓がんだけでなく、肺がん、乳がん、大腸がん、口腔がんもセットでスクリーニングしてくれる。ただし、検査費用は保険適用外になり、昨年12月から始めた大泉中央クリニックでは特別価格の1万5000円(税込み)。今後、東京ミッドタウンクリニックや東京医科大学病院などでも受け付けを開始する予定という。

膵臓がんのリスクが高い人
●良性膵臓腫瘍(膵のう胞)のある人
●膵臓がんの家族歴のある人
●慢性膵炎の人(原因不明が多い)
●治療を受けても糖尿病が急に悪化した人

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