あの話題の治療法 どうなった?

前立腺がん ロボット支援腹腔鏡手術で問われる手術センス

「手術器具の都合からロボットは切る操作が中心ですが、腹腔鏡下手術では触覚があることで鈍的剥離という『はがす』操作やシーリングという封をして止血しながら切るという操作も容易に使い分けできます」

 ロボット支援システムには「触感」がない代わりに、3D画像など「視覚」優位性があった。ところが、いまや人が使う腹腔鏡も3D画像で見られるようになり、優位性が消えたという。

「もちろん、ロボット支援手術だと初心者でも手ブレがないぶん、縫合が容易ですし、先端の関節により届きにくい方向からの手術も可能です。しかし、ロボットアームにつけるエネルギーデバイス(止血装置)は人が行う腹腔鏡下手術のように最新型を使えなかったり、コストの面でバリエーションが限定されることもあります。ロボット手術支援システムというと日本では最先端の手術イメージがありますが、必ずしもそうとは言えないのです」

2 / 3 ページ