あの話題の治療法 どうなった?

前立腺がん ロボット支援腹腔鏡手術で問われる手術センス

 そもそもロボット支援手術の技術は米国で20年以上前に開発されたもの。「20~30年で常識が変わる」といわれる医学では、すぐに評価が変わる可能性があるという。

「これまでのがん手術は切って取り出すが常識でしたが、今後早期がんは『凍結』『焼灼』して病変の消退を得る治療に変化するかもしれません。結局、変化に即座に対応できるのは人間なのです」

 このとき、高価なロボット手術支援システムを導入した医療機関は、患者にとって最も良い最先端の術式を採用できるかはわからない。

「私はロボット支援手術システムを否定しているわけではありません。手でできないことならロボットを使うべきでしょう。ただ、手術をする医師はどこからどうアプローチしていくのがその患者さんにベストかを瞬時に判断するセンスが必要で、それが問われる。そのためにはすべての手術を知ったうえで、術式を選択しなければなりません」

 ロボット支援手術しか知らない医師では心もとないということか。

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