数字が語る医療の真実

がん検診の4つの行く末

 なんとなくテレビを見ていたら、無名のお笑い芸人さんが、「健康に気をつけるかどうか」と言われたときに、「私は健康に気をつけない」というネタをやっていました。

 その芸人さんが言うには、「健康に気をつけずに病気にならないのが最高、健康に気をつけて病気にならないのがその次。健康に気をつけないで病気になるのが3位、健康に気をつけて病気になるのが最悪。つまり、健康に気をつけないと1位か3位、健康に気をつけると2位か4位だから、私は健康に気をつけない」というネタでした。

 誰も笑っていませんでしたが、これはただ面白くなかっただけということではないように思います。健康を気にするあまり、案外合理的でない考え方をする自分自身に気づき、そんな痛いところを突かれて笑えなかったという部分があったのではないでしょうか。

 実は私自身も、がん検診の効果について一般向けに話すときは、いつもこの話をします。「がん検診を受けてがんで死ぬ」という最悪を避け、「がん検診を受けずにがんで死なない」という最高を実現するためには、「がん検診を受けない」というのが最も合理的な考え方だというわけです。

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名郷直樹

「CMECジャーナルクラブ」編集長。東大薬学部非常勤講師。東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員、臨床研究適正評価教育機構理事)自治医科大卒。名古屋第二赤十字病院にて研修後、作手村国民健康保険診療所にてへき地診療所医療に携わる。95年同診療所所長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。「『健康第一』は間違っている」などの著書がある。