医師になって46年間、がん診療に携わってきました。おそらく、抗がん剤治療に関わった患者さんは約2万人、実際に自分で最期をみとった患者さんは2000人以上に及ぶはずです。
まだ患者さんにがんを告知しなかった時代に、20代で大腸がんが再発したことを両親を説得して告知。その後、抗がん剤治療で完治し、結婚して幸せな家庭を築いている患者さんがいます。抗がん剤治療の前に精子を保存し、治療中に奥さまが女児を出産。これを励みに病気を克服された患者さんもいました。親も子もがんとなり、担当させていただいた方もおられます。
こうした多くの患者さんから、がんという病気、そして「人間は生きたいんだ」ということ、「生きるを支える医療」を教わりました。いまや2人に1人はがんにかかるといわれる時代です。がんとどう向き合い、負けずにどう生きるか、一緒に勉強していきましょう。
がんと向き合い生きていく