自殺リスクが高い自治体 ワーストは外国人墓地の横浜中区

横浜市中区(C)日刊ゲンダイ

 千葉県の3市は、いずれも都心のベッドタウンになっている自治体です。ただし、通勤には1時間半以上もかかります。通勤時間が長いと、それがストレスになって自殺につながるとよくいわれますが、これら3市はまさにその典型なのかもしれません。埼玉県桶川市やさいたま市西区も、通勤に苦労する地域です。ただワースト10位の八潮市は、2005年のつくばエクスプレス開通によって、都心へのアクセスが一気に良くなりました。自殺のリスクが高いのは、単に通勤時間だけの問題ではなさそうです。

 ベスト10に目を移すと、和光市がトップで52.6。自殺リスクが全国平均の半分しかありません。都心に近く、しかも住みやすい街として人気があります。東京都からランクインしている5市は、いずれも都心へのアクセスが良く、しかも郊外型のゆったりとした生活を送れるエリアです。また、とくに中央線沿線は、杉並区から日野市まで、軒並み60台から80台の低い数字になっています。中央線は人身事故が多いことで有名ですが、自殺者の中には地元以外の人も含まれているのかもしれません。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。