ドライバーは知っておきたい これが大動脈解離の“兆候”だ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 血管内治療の権威で東邦大学医療センター佐倉病院・臨床生理機能学の東丸貴信教授は言う。

「大動脈解離は、高血圧が基礎疾患にある人、自分の両親や祖父母、兄弟といった近い家族に心血管疾患の既往歴がある人に多く見られます。冬はただでさえ血圧が上がりやすいうえ、クルマを運転する場合は車内と屋外の気温差が激しく、血圧が一気に変動して血管の負担が大きくなりやすい環境です。渋滞などによるストレスも受けやすく、これも血圧に影響を与えます。高血圧だったり、心臓疾患の家族歴がある人は、いつ自分が大動脈解離を起こしてもおかしくないと自覚して、定期的な検査や血圧のコントロールをしっかり行うことが予防の大前提になります」

 大動脈解離は、発症すると引き裂かれるような強烈な痛みがあるのが典型的な特徴で、9割以上の人が痛みを訴えるという。しかし、発症するまではそれほど自覚症状がない場合が多い。そのため、それまで元気だった人が突然、大動脈解離を起こして亡くなってしまうケースが起こる。まずは、日頃からの予防が重要なのはそのためだ。

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