Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

和田アキ子さんは子宮全摘 I期なら妊娠出産できる手術ある

和田アキ子さん(C)日刊ゲンダイ

■ワクチンで予防可能

 いずれにしても命を犠牲にして出産するための治療ではありません。特に広汎性子宮頚部摘出術では、慎重なチェックを重ね、病期のほかにも適応条件が複数設けられているのが現状です。

 海外では、子宮頚がんのワクチン接種が進み、子宮頚がんは“過去のがん”になっていますが、日本はワクチン接種がストップし、がんの中で唯一死亡率が増加しています。ワクチンの副反応の症状は、接種と関係ないとされるだけに、心配な人は接種を検討するといいでしょう。欧米では、男性の接種が行われている国もあるのですから。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。