医師が注意喚起 ノロで「下痢止め」飲んではいけない理由

治癒が遅れてよけいに症状が長引くことも…(C)日刊ゲンダイ

 ノロウイルスは冬になると流行し、激しい下痢や嘔吐に加え、高熱にうなされることもある厄介な胃腸炎だ。子供や高齢者が感染すると、最悪の場合、死ぬこともある。上からも下からも“垂れ流し状態”で、ちょっと水を飲んだだけでトイレに直行……。

 そんなつらさから下痢止めや吐き気止めを飲みたくなるが、飲まない方がいいという。聖路加国際病院内科名誉医長で、「西崎クリニック」院長の西崎統氏が言う。

「下痢止めを飲みたくなる患者さんの気持ちはよく分かりますが、飲んではいけません。吐き気止めもそうです。それらの薬でウイルスの排出が抑えられると、治癒が遅れてよけいに症状が長引くことになります。症状がつらくても、とにかくウイルスを体の外に出すのが正解です」

■できるだけ水分摂取を

 理屈は分かるが、食事はおろか水も飲めないのはきつい。何度も続く下痢でお尻はヒリヒリだ。そんなピンチをどうやって乗り切ればいいのか。

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