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【脳卒中のリハビリ】東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科(東京都港区)

退院後のやる気でその後の生活に差が…(右・東京慈恵会医科大学付属業院の安保雅博教授)/(C)日刊ゲンダイ

■退院後のやる気でその後の生活に差が…

 TMS治療とは、磁場を発生する刺激装置に付いた専用コイルを頭に当てる療法。TMSは、もともと脳神経の走行を調べる検査機器だが、その磁場の刺激頻度を利用して脳の活動量を調節できる。治療中、患者は椅子に座っているだけで、痛みなどの苦痛は伴わない。

「例えば、脳卒中で左脳が障害を受けると、右脳が過剰に働き、左脳の働きは抑制されてしまいます。それを磁気刺激で右脳の過剰な働きを抑え、左脳を活性化させて、脳の働きのバランスを再構築するのです」

 TMS治療は、1日1回2400発の磁気刺激を40分くらいかけて行う。それによって脳の反応性が高まったところで、集中的にリハビリを行うのだ。リハビリの内容は何十通りもあり、後遺症の改善度に合わせて組み合わせを変えていく。そして、退院時には自宅でできるリハビリを指導して、日常的にリハビリを続けることが大切になるという。

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