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【脳卒中のリハビリ】東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科(東京都港区)

退院後のやる気でその後の生活に差が…(右・東京慈恵会医科大学付属業院の安保雅博教授)/(C)日刊ゲンダイ

「NEUROでせっかく改善した手足の動きも、退院後に使っていなければ元のマヒした状態に戻ります。69歳以下、70歳代、80歳以上で比較しても年齢では改善度は変わりありません。改善度に最も関係するのは、患者さんの“やる気”です」

 関連病院を含めた過去1726例でまとめたデータを見ても、TMS治療の副作用は、ほとんどない。

 めまいや不快感、頭痛などを感じた患者が22人いたが、治療をやめるほどの症状ではなく、治療を途中でやめた脱落者はゼロだ。

 同科が2008年から本格的に始めたNEUROの実施数は慈恵医大本院で約600例に上る。いまでは同科と提携してNEUROを行っている医療機関は全国に24施設ある(所在一覧は同大・リハビリテーション医学講座のHP参照)。

「脳卒中のリハビリは、脳機能の活動をとらえるファンクショナルMRIなどが進歩した2000年ごろから大きく前進しています。NEUROは脳画像の解析をもとに行うリハビリです。過去の脳卒中後遺症が回復せず、あきらめていた人でも改善する可能性は十分あります」

データ
◆スタッフ数=常勤医師6人、理学療法士19人、作業療法士7人、言語聴覚士3人
◆年間治療延べ患者総数(2015年)=約7万人
◆TMS治療の年間実施数(同)=57人

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