恐縮ですが、私自身の体験をお話しします。数年前、仕事のスケジュールがびっしり詰まっていたことに加え、思わぬストレスが次々と重なり、時々上腹部がキリキリと痛んでいました。食欲が落ち、少し食べてもすぐに胃がいっぱいになった気がしていました。
胃薬を飲んでみたものの、上腹部はいつも重苦しく、「ここに胃がある」と自覚するような状態で、「もしかしたら自分はスキルス胃がんかもしれない」と思うようになりました。進行したスキルスがんでは、胃の壁ががんで厚くなって胃袋が膨らまなくなり、たくさん食べられなくなるのです。
そこで、やっと時間を見つけて内視鏡の専門医に胃を診ていただくことになりました。内視鏡検査日の朝、病院に向かう電車の車窓から見る景色は、いつもと違って見えました。
「今日の帰りは、どんな気持ちで電車に乗っているだろうか?」
がんと向き合い生きていく